
帯状疱疹のワクチンが2025年4月より、定期予防接種となりました。
接種には、吹田市から届くハガキが必要!?
対象者には、6月頃にハガキが届くみたいです。
このハガキを持って、当クリニックまでお越しください!
もしその前に、接種をご希望の場合は、吹田市の地域保健課へご相談ください。
【参考URL】
帯状疱疹とは
ウイルスによって、皮膚の発赤と激しい疼痛が引き起こされる病気です。
まず、最初の症状として、左右どちらかに違和感を感じられる方が多く、その後、ピリピリやズキズキ、ジンジンといった症状が出てきます。
【症状がよく出る部位の割合】

顔に症状が出た場合は、「顔面神経麻痺」や「目の合併症」のリスクも高くなるため、早期の治療が必要です。
原因
この病気は、子どもの時に、ほとんどの人が発症する「水疱瘡(みずぼうそう)」が元なんです。
つまり、帯状疱疹のウイルス自体には、90%以上の方が10歳までに感染するとされており、水疱瘡が治ってからは、このウイルスが神経の中に潜んでいる状態となります。

そして、大人になってから、過労やストレス等で免疫が弱くなったタイミングで、神経内に潜んでいた帯状疱疹ウイルスが目を覚まし、神経を伝って皮膚まで出てくる仕組みです。
水ぶくれ
痛みが出た後、発疹や水ぶくれが出現するのですが、この発疹や水ぶくれが帯状に広がるのが、“帯状疱疹”と言われる所以です。
水ぶくれは、一週間ほどで潰れることが多く、その水ぶくれから出た液には、多くの帯状疱疹ウイルスが存在するため、触れると感染することがあるので注意して下さい。
上記で、90%以上の方が10歳までに感染すると説明しましたが、逆に言えば、10%未満の子どもは、水疱瘡に感染しないので、この人たちは水ぶくれから出た液に触れると感染リスクが発生します。
また、水ぶくれが“かさぶた”となり、その後、色素沈着(皮膚に色がつく状態)や陥没として残ることがあります。
高齢者は要注意

高齢者の方は、帯状疱疹ウイルスによる神経痛がなかなか治らないケースがよく起こります。
この神経痛は、「帯状疱疹後神経痛(PHN)」と言われ、よく知られている合併症の一つ。
治療法として、内服薬やペインクリニックでの神経ブロック等がありますが、この状況になってしまうと生活の質を著しく下げるため、帯状疱疹の予防が必要とされています。
帯状疱疹の予防
高齢者が帯状疱疹を予防する方法は
- 体調管理(免疫が落ちないように)
- ワクチン接種
主に2つ。
体調管理の重要性

先ほども述べたように、既に90%以上の方が10歳までに帯状疱疹ウイルスに感染してるわけです。
その後は自分の神経内に潜んでおり、年を取ってから体調が悪くなると、このウイルスが暴れ出す仕組みです。
つまり、本来は免疫を持っており、長い間、抑え込んできたから発症しないので、体調管理さえしっかりしていれば、帯状疱疹の発症リスクはぐんと下がります。
一方で、ずっと体調が良いということはないために、免疫を上げておくという意味で、ワクチン接種が有効な予防策となります。
ワクチンの定期接種

これまでは任意接種だったので、全額自費(※健康保険の適用外)でしたが、2025年4月より、定期接種を市区町村が一部負担してくれる方針となりました。
費用
任意接種の場合の費用 | |
---|---|
生ワクチン(一回あたり) | 7,000~10,000円 |
組換えワクチン(二回あたり) | 40,000~60,000円 |
市区町村が一部負担してくれた場合の費用 | |
---|---|
生ワクチン(一回あたり) | 4,500円 |
組換えワクチン(二回あたり) | 22,000円 |
種類
帯状疱疹ウイルスには、2種類のワクチンがあります。
生ワクチン(生水痘ワクチン:ビケン)
良いところ ・接種が一回で完了するため、手間が少ない
・比較的安価悪いところ ・免疫不全状態や免疫抑制治療中の方は接種不可
・予防効果が不活化ワクチンに比べて低く、効果の持続期間も短い適している人 ・健康な50歳以上の成人
・免疫抑制状態でない人
・一回の接種で済ませたい人
・接種費用を抑えたい人
・軽度の帯状疱疹予防で構わないと考える人接種不可な人 ・妊娠中
・がん治療中や免疫抑制剤使用中
・重度の免疫不全の人組換えワクチン(シングリックス)
良いところ ・高い予防効果が期待でき、効果の持続期間も長い
・免疫不全状態や免疫抑制治療中の方でも接種可能悪いところ ・接種が二回必要であり、スケジュール管理が面倒 適している人 ・高齢者(70歳以上)や合併症リスクが高い人
・免疫不全・免疫抑制治療中の人(がん治療、腎移植、HIVなど)
・強力に予防したい人
・帯状疱疹後神経痛(PHN)の予防も重視したい人
・ 効果の長さ(10年以上)を重視する人
副作用
副作用については、下記表でまとめておきます。
分類 ビケン シングリックス ワクチンの種類 弱毒生ワクチン 不活化(サブユニット)ワクチン 接種部位の痛み 10〜20%程度 約75〜85% 接種部位の腫れ・発赤 10〜30%程度 約50〜70% 発熱 5%未満 約20〜40% 倦怠感・疲労感 稀に(1〜5%未満) 約40% 筋肉痛・関節痛 稀に(報告少ない) 約40%(筋肉痛)約20%(関節痛) 頭痛 稀に 約30% 消化器症状(吐き気など) 非常にまれ 約10%前後 アレルギー反応 極めてまれ(頻度不明) 極めてまれ(アナフィラキシー0.001〜0.002%未満) 水痘様発疹 0.01%未満(報告あり) 発生なし 神経合併症(脳炎、末梢神経障害など) 極めてまれ(因果関係不明) 報告なし(因果関係は否定的)
【参考URL】